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スペクトラムしい日々

自閉症スペクトラムの娘 (13歳) と家族、母の日常をゆらゆらと書き綴ろうと思います

はじめての教室、はじめての先生

不登校になってから4か月半。

夏休みを利用して、担任の先生と会う約束をしました。

 

『先生に会ってほしい』

 今年度の担任の先生は、昨年度に協力学級としてお世話になった先生なので、授業で当てられたり、声をかけられた事もあります。

 

ただ、自分の担任として・・・つまり、

今年度から通常学級に移った娘の担任の先生としては、一度も会っていませんでした。

娘が不登校だったためと、毎週末、自宅の玄関先に訪ねてくれたけれども、娘が会うのを拒んだからです。

 

 1学期の前半は、無理に会わせる必要もないのかなと思い、あまり深くは考えていなかったのですが、夏休みが近づき

「このまま1学期中、先生と会えずじまいでいいのかなあ・・・」

と考えるようになりました。

 

新しい病院にも定期的に受診する流れが整い、デイサービスや適応指導教室などの利用も形になりつつあったので、

夏休みが始まる1週間程前に娘にお願いをしてみました。

 

「1学期は1回も学校に行けなかったし、先生にも会えなかったよね。

先生はあなたのこと心配しているし、お母さんも先生に、あなたの元気な姿を見せてあげてほしい。夏休みに一度先生と会ってほしいの」

 

娘はうんうん、と話を聞いてくれ、先生と会う事もすんなり承諾してくれました。

 

「じゃあ、どこで会おうか・・・自宅の(玄関先でもいいので)会うのと、学校で会うのと、どっちがいい?」

 

娘は学校を選びました。

 

「そっかあ、せっかくだからお母さん、教室ものぞきたいんだよね。教室で会うってのはどう? 夏休みで誰もいないしさ、一緒に行ってみようよ」

娘は嫌がる様子もなく、私の提案を受け入れてくれました。

 

もちろん、先生に会ってみたい、学校に行ってみたい、教室をのぞきたい・・・

なんていう欲求はないに等しいでしょうが、

場所はともかく、先生と会う事・・・それが私の第1の目標でした。

 

早速、先生に伝えて、日時を相談し、先に私達母娘が教室に向かう事とし、

先生は少し遅れて来てもらう事にしました。

最初から先生が教室で待ち構えていると、娘のプレッシャーになるかも・・・と考えました。

 

はじめての教室

その日は午前中に先生と会う約束をしていました。

起きるのが遅くなりがちな毎日でしたが、わりあい早く起きてきました。

朝ごはんを食べて身支度をして。

時間があったので、いつものようにパソコンで動画を観たり。

普段と変わりないように見えて、それなりにお出かけを意識しての朝の佇まい。

 

約束の時間ぴったりに、車で学校に到着しました。

校庭を歩きながら「なつかしいねえ・・」と声をかけたり、

職員玄関に行って、持参した(新学期から使う予定だった)新しい上靴を履いて、

廊下の掲示物を眺めながら「あ、6年生のだね・・」と教えたり。

 

(こんな時、娘は自分から話しかける事はほとんどなく、私が話しかけても頷いたり簡単に答える程度で、会話はあまり弾みません)

 

そして階段を上って娘の教室に向かいました。

娘が目をこすり出したのが、少し気になりました。

 

教室に入ると、机は班ごとにまとまってくっつき合っていて、椅子が机の上に乗せられていました。

前もって娘の席をおたよりで確認していたので、

「これがあなたの机だと思うよ」と話していたら、

「おなかが痛い」というので椅子を下してそのまま座ってもらいました。

私はゆっくりと黒板や掲示物を眺めながら、時折、娘にも声をかけていました。

娘は座っていると痛みがやわらいでいるようでした。

 

(やっぱり緊張して、胃が痛むのかな・・・)

そう思いながら、先生が来るのを少し待ちました。

 

先生との作業

先生が教室に来ました。

「こんにちは」

「こんにちは」

「〇さん、お久しぶり」

まだぎこちなく、先生と娘のたどたどしい会話・・・

 

そばで聞いていると少しだけハラリとしますが、私も茶々を入れながら、何となくおしゃべりしているような雰囲気。

 

「〇さんに手伝ってほしい事があるの。教室のお片づけを一緒にやってもらえる?」と先生。

「はい」娘はすぐに答えました。

「あ、さっきちょっと、おなかが痛いって言ってたんですけど。大丈夫? じゃあ無理しない程度に手伝ってきてね」と私は付け加えました。

 

先ほどの腹痛が一時的なもので、お手伝いしている間に気が紛れればいいな・・・と思いました。

先生は娘と何から始めようか相談しながら、二人で教室から出ていきました。

私は教室で留守番し、二人にはタッチしないようにしていました。

 

(このお手伝いは先生が持ちかけてくれた事で、会話が苦手な娘と作業を一緒にする事で、先生なりのコミュニケーションを図ろうとしたのです。娘と二人きりで行いたいとの事で、前もって了承していました)

 

二人は道具をどこかへ運びに行ったり、廊下の掲示物を直したりしながら、先生が娘に時折声をかけていました。

 

10分程たったでしょうか・・・娘が教室に戻ってきました。

おなかが痛いというので、また娘の席に座り休んでもらうことにしました。

何となく顔色が悪くなっていました。

 

身体症状だった

娘は椅子に座っても顔色は良くならず、症状を色々尋ねると「気持ちが悪い」というので、すぐにトイレに連れて行きました。

いつ吐き気がきても大丈夫なように用意をすると、お腹のほうの痛みが強くなったようなので、トイレのドアを閉めて、廊下で先生と待っていました。

 

「やっぱり緊張したみたいですね・・・でも先生と会えてよかったです。

実は私も緊張してたんです、先生も緊張したでしょう・・」

「ええ、でもまずは会えて本当によかった・・」

時々娘に声をかけながら、先生と小声で語り合っていました。

 

娘がトイレから出てくる音がしたので、迎えに行くと、さらに真っ白な顔色になっていました。

お腹は楽になり、吐き気もおさまったとの事ですが、体が重だるいとぐったりしていました。

 

すぐ帰ろうという事になり、娘の両脇を私と先生で抱えようとすると、

 

「おぶってってほしい・・」

 

珍しく娘が弱音を言っている(甘えている?)ようだったので、リクエストにお応えしておぶる事にしました。

 

何年ぶりだろう・・・

 

1段1段確かめながら、ゆっくりと階段を降り、

 

「いやあ、この年になって〇をおぶるとは思わなかったよお~ニヤニヤ 」

「あと10年もしたら、今度は〇がお母さんをおぶってくれるんだろうね~ニヤニヤ 」

 

先生と笑いながら、そして背中の娘も照れ笑いしているようでした。

 

・・・時間切れです、続く。