スペクトラムしい日々

自閉症スペクトラムの娘 (14歳) と家族、母の日常をゆらゆらと書き綴ろうと思います

誘惑の観にスカート (発表会パート1)

小学校最後の発表会。
 
先生から台本を渡されてから本番までは3週間。
 
台本を手にした時は、食い入るように読み出しました。
そして来週から練習に行くというのです。
おお…演劇効果?
(娘は劇や歌が大好きなのです)
 
そして言葉通り翌週の月曜日から、何の抵抗もなく、私が促すまでもなく身支度をして学校に向かいました。
とは言っても、車の送迎つき、練習の1時間だけ、母はマネージャーのように少し離れた場所で見守っているわけです。
 
はじめは幕ごとに分かれて流れに沿って練習。
娘は台詞のない、大勢の町人の1人なので、その群れに入り動きを合わせればいいわけです。
 
不思議なくらい違和感もなく、浮いている風でもなく自然になじんでいる感。
みんなもさり気なく気を遣ってくれているよう。
見ていて危なげな様子もなく安心していられました。
 
2週目に入り、今度は全体で、幕ごとに通しての練習がはじまりました。
 
今までの練習で決まっていた動きのほかに、別の新たな動きが加わり、少し戸惑う雰囲気も見られましたが。
 
それが原因なのでしょうか。
 
「もう、練習に行かなくてもいいや」
 
え? あんなにスムーズに行っていたのに、急にどした?
 
「なんか、思ったよりつまんなかった、こんなもんかと思って」
 
ほ、ほう・・・
それがわりとあっけらかんとしているので「もう気が済んだ」という感じなのですが。
そんなにあっけらかんとしてるならむしろ、1日1時間程度の練習くらい行けそうじゃない?・・・とも思えるのですが。
まあ、とりあえず行けるだけ行ってみようという事で、残り3日間も練習に誘ってみようと思ったのですが。
練習時間が 1、2時間目という・・・早い時間帯だったので、朝、何度も起こしはしましたが起きれませんでした。
 
これが楽しみにしている事なら、多少の眠さなんてなんのそのではないかと思うのですが。
行く気もないのに起きる気にもなれないようです。
 
まあ、仕方ないか、今までびっちり行けたのがミラクルみたいなものだったし。
また来週、仕切り直してみよう。
 
この段階で、本番まで残り1週間。
練習日3回 (うち、娘が出られるのは2回) 、間に総練習あり。週末発表会本番。
 
娘の中では、発表会というイベントはおしまい。もう未練はない、という印象です。
はじめは乗り気でスムーズに足を運んでいるように見えたのに、どうして急に気分がコロリと変わったんだろう。
何度も立ち稽古をすることで、自分の配役の流れはつかんでしまっている。
それならば、練習はもういいから、本番だけ出てみようと促すべきか?
 
ていうか、本番に出ることが最終目標なのか?
 
なんか違うような気もするし、そもそも娘は本番に出ることには興味はないようなのです。
それなら、本番だけ出ようと促しても、土壇場でやっぱり出ない、となりそう。
 
もし、本番を取るか、練習を取るかだとしたら、母としては練習を取ってほしい。
本番は今までの練習をお客さんにお披露目する日。
どんな形であれ、時間の流れに沿って進んで終わってしまう。
それよりは練習する時間を大切にしてほしいかも。
みんなとの空間で、先生に注意されたり、みんなが笑ったり、怒られているところを一緒に過ごすことが、娘にとっては本番に出る数十分よりも貴重ではないだろうか?
 
・・・そんなわけで日曜日。
「これまで毎日練習に足を運んで頑張ったよね、こんなに頑張ってくれるなんて思わなかった、頑張ってたんだね」とねぎらいながら、
「あと2回だけ、練習に行ってみようよ。総練習や本番のことは、そのあとでまた考えよう?」
 と促し、とりあえず頷き確認よし。
 
そして月曜日、「行くのやだなあ…」と言いながらもしぶしぶついて来てくれる。
その日は本番通りに通す形になっていて、劇の最後に合唱することになっていたのです。
 
その楽譜を、まだもらっていなかったことにその場で気づく。
 
合唱の立ち位置もわからず、先生が「○の△のとなりー!」みたいに叫んでくれて、ただでさえ「あれ?あれ?」なんだけど、さらに「あれれのれ〜?」なのです。
みんなと一緒にスデージの上に上がってくれるだろうかと少しはらりとしましたが、辛うじて所定の位置に行ってみんなの合唱を聴く・・・
 
そうですよね、楽譜もらってないんだから、ただ聴くしかないんですよ・・・
 
これには私も「あちゃー」な気分でしたが、先週後半、休んでいたせいでもらえなかったのもあるし、合唱の練習は劇の練習とは別に、音楽の時間にしていたと思うのですが、そっちのほうまで頭が回らないというか、まあ、とにかく1日1時間練習に出ることができればいいと思ってもいたので。
 
・・でも合唱の歌をみんなと同じペースで覚えられなかったのは大きかったと思います。
 
練習のあと、先生から楽譜をもらい、帰ってからキーボードで音合わせ。
・・・って、動画があるじゃんユーチューブが!
 
それを何度も何度も何度も一緒に聴いて、一緒に歌って音を確認したわけです。
 
火曜日も行くのをしぶってはいましたが、歌の練習もしたし、まだうろ覚えなら楽譜見てもいいからね! と励まし学校に向かう。車の中でも2人で大声で歌いながら確認。
劇の練習中も、合間をみて楽譜を入念に見ている・・・
 
やっぱり気にしてるんだ。
 
ステージに立って歌う時は楽譜をポケットにしまい込んでしまいました。
 
見てもいいんだよ!見ても! 
楽譜を見ることはプライドが許さないのか?
ちゃんと歌ってくれるのかな・・・
お? 口が開いてる?
どうやら歌ってはいるらしい。
応援したい! よし! 私も歌うぞ!!
ということで体育館の隅のほうで私のおうつくしい声を。
(あとで娘に聞くと、母の声は聴こえてなかったらしい囧rz )
 
こうして2回の練習は終わり、次のミッションは総練習に出るかどうか。
 
もうこの時点では、娘は劇に出演する気はないんですよ。
とりあえず、母に説得されてしぶしぶ練習には出たけど、あとは出る気なし。
それはもうわかっていたのですが、お決まりの確認はしなくては。
 
「総練習行ってみない?」
「行かない」
「もう劇には出ないの?」
「うん」
「そっかあ、じゃあ観にだけ行こうよ」
「うん」
 
え? 今うんて言った?