スペクトラムしい日々

自閉症スペクトラムの娘と家族、母の日常をゆらゆらと書き綴ろうと思います

9月の頃の話2~ツンドラまでは凍土じゃない

今年度に入ってから担任の先生と2回目のご対面。しかも家庭のテリトリーで。

ちょっとだけドキドキしましたが (わたしが!)  まあ、見た目何事もない光景でした。先生がふたつみっつ話しかけると娘も「はあ、はい」とややぶっきらぼうに答えます。そしてさり気なくその場から遠ざかろうとする娘…

先生が思い出したように「来週、卒業アルバムの個人撮影があるから学校に来てくださいね」と声をかけました。

「あ、はい」

え?マジほんと?

わりとあっさりな「はい」なので二度見したかもしれない。
その時は日時を聞いて、まあ来れたらおいでよ的な軽い感じの提案だったのですが (ダメもと感満載で)
娘にとってはまたとないチャンスなのでは…?
できるなら成功体験にしたい。
だって娘がイエスと言ったのだから (その場しのぎの返事かもしれないけど)
 
写真撮影の前日、ちょうど良いタイミングで通級指導教室の相談日になっていました。
ここには1学期に1度だけ母娘で面談していたので、その後の流れを説明しました。
そして『登校刺激とスモールステップ』についても相談したかったのですが…
ちょうど明日登校することになっていると話をすると、
「その時間に何となくぶらりと行くよりは、娘さんが所属してる班の撮影する時間帯に合わせてみるとか、時間が来るまでどこか指定の場所で待機していて、時間になったらお友だちに呼びに来てもらう…という工夫をするほうが、帰属意識が高まるのではないか」と。
 
…長いこと発達の子ども達を指導しているだけあって、さすが目のつけどころが細かい。思わず唸ってしまいます。
わたしと担任の先生からは生まれてこない発想です (2人ともざっくりな性格なんで)。
それからもうひとつ….娘は夏休みに入ってすぐ、担任の先生に会うため来校しているのですが、それきり学校へは行っていません。
明日行く前にもう1度学校へ足を運ぶ機会があったら、ワンクッション置く意味でもよかったろうけども、もう明日のことなので、今日これから学校に誘って行ってみるのも明日のためには1つの手段になると。
…結局娘を誘ってみても「明日でいい」と気が乗らないようなので無理に行くのはやめました。
 
そして撮影の当日、『少し早めに向かって保健室で待たせてもらい、時間がきたら友だちが呼びにくる…』という脳内シナリオを先生と設定。
娘の表情からは緊張感が漂っていましたが、学校に行く準備もしてくれたし、車にも乗ってくれました。
保健室でも落ち着いて待っていてくれました。
そして友だちが呼びにくる…(ここは娘には話しませんでした。逆に身構えてしまうかなと思って…)。
友だちが呼びにくると一瞬顔がこわばったようでしたが、誘いに応じて教室までついていきました。
途中階段を上りながら、(今、どんな事を考えているんだろう)…とヤキモキしながらも、わたしはお友だちに一生懸命笑顔で話しかけて雰囲気作り。
撮影場所に着いてからはスムーズに流れに沿って撮る感じ。
何人かと顔を合わせますが、「あ、… (娘ちゃん来たんだ〜)」というリアクションで、わりと自然な感じ。
ちょっと残念なのは、撮影が早く進みすぎて、娘の班のひと達は終わってしまい、結局娘が1番最後だったことです。
まあ、予定は未定だよね…。
 
とにかく6年生になって初めて、「友だちのいる学校」に足を踏み入れたわけです。
ドッキドキの写真撮影だったのですが、帰りがけ娘に「緊張した?」と聞いてみると
「別に」との返事。
ああ、質問じゃダメなんだよね…共感じゃなきゃ…
ほんとツンデレなんだよなあ…