スペクトラムしい日々

自閉症スペクトラムの娘と家族、母の日常をゆらゆらと書き綴ろうと思います

『シンクロしました、私』

娘は毎週『ヒガンバナ』を欠かさず観ています。
 
お笑いや仰天ニュースもの (ドキュメンタリーバラエティ番組と言うらしい ) も好きなんですが、ドラマは『ヒガンバナ』と『怪盗 山猫』がお気に入りのようで、今期ハマっているドラマですね。
あと嵐番組も何気に観てます。(誰かお気に入りがいるんでしょうか…)
 
ヒガンバナ』…一言で言うと刑事もの、と言えばいいんでしょうか…。
主人公の渚ちゃんが美しくミステリアスで、その不思議な能力は、ちょっと現実的ではない気がしますが…
娘はそういう少女なり、女性の主人公に惹かれるようです。
過去には『悪夢ちゃん』や『妖怪人間ベム』←(これはベラが、というよりストーリー全体の雰囲気がよかったのでしょうか)
『掟上今日子の備忘録』も観てましたね。
 
どこかミステリアスで影のあるヒロイン…。
そのヒロインに、自分を何となく重ねているのでしょうか?
自分でも無意識のうちに惹かれてしまうのでしょうか?
生きづらさを抱えながらも懸命に生きる、その強さを持つ彼女たちへの憧れなのでしょうか?
 
先週、娘は不登校からの脱却を目指して…(大げさですね)
祝日をはさみながらも、1週間何とかこなせました。
毎日遅刻してましたし、まだ母の付き添いがないと心細いようですが。
 
金曜日、学校の玄関から出てきた娘を出迎えます。
私「1週間頑張ったね〜」
娘「うん」
私「疲れたでしょ」
娘「腰痛い…」(掃除当番で掃き掃除したようです)
2人で車に乗って家に帰ります。
 
車を運転しながら娘に言いました。
「お母さんさ、2学期から、むー(娘の仮名)と一緒に教室にいたじゃない? それで感じた事なんだけど…。
むーは学校を休み出す前は、自分が教室にいるのが嫌だったかもしれないけど。
それはむーがみんなと同じようにできないとか、みんなの中に入れないとか、思ってたかもしれないけどね。
勉強だって、テスト100点じゃなくても、悪い点数じゃなかったけど、むーは満足できてなかったかもしれないけどね。
でも今は、みんなと違うところもあるかもしれないけど、何となくこうやって教室にいていいんだって思えるようになったんじゃない?」
「うん…」
「お母さんは、むーと一緒に教室にいて思ったのはね、むーは基本的にはみんなと同じなんだけど、教室の多くの友達とは見てる場所が違うっていうのかな…見え方が違うような気がしたんだ。
だから、勉強も思うようにできなかったり、人とうまく話せない事もあるのかもしれない。
でもそれって特別な感じがするよね、ヒガンバナのあの人みたいにさ。
それがみんなより劣ってるって事じゃないんじゃないかな。見え方が違うだけでさ」
「ん…」
ちょっとややこしかったかも。
でも何となく、伝わったかな?
 
実はこの日、たまたま出会った保健室の先生と少しお話ししました。
保健室へは不登校中、時々娘と遊びに行ったり、先生も娘の(主に私の)話し相手になってくれていました。
 
約1年前、娘が初めて学校を休んで3日目、試しにやや強引に登校させてみました。
やはり精神的に無理だったようで、登校はしたものの、教室に入って間もなく様子が変だったので、保健室に連れて行ってもらいました。
その時に保健室の先生が娘と色々話した…と、当時は簡単に聞いてはいました。
 
先生はその時の話をあらためて教えてくれました。
娘は泣きながら、先生の問いかけに答えてくれたそうです。
娘は、教室で思うようにいかない、できない自分を責めていたようです。
みんなに何とかついて行こうと、頑張り過ぎていたんだねと。
勉強も友達も。
そして話をした最後に娘が、
『こんな私の話を聞いてくれてありがとうございました』
そう言ったそうです。
 
きっと私には言えない話なんだろうな…
自分から普通学級に行きたいと言って始めた練習期間。
きっと1番愚痴をこぼせなかったのは母である私にかもしれない。
(まあ、さんざん学校行きたくないとはこぼしてましたけどね…て言うか、もっと早くこのエピソードを聞きたかったなあ…だからって、何かがすごく変わっていたわけじゃないかもしれませんけどね…)
 
1年。
1年てキリのいいものなんだなあ…
春夏秋冬、1周しなければ、ひと段落つかない感じ。
これでやっと、おぼろげに何かを把握したような気分にさせる周期。
 
環。
 
1か月
1週間
1日。
 
1時間
1分間。
 
1秒。
 
そんな話を聞いて、尚更、娘に伝えたくなったんです。
もう少し前なら、なんて言ってあげればいいのか、うまくまとまらならない言葉だったかもしれません。(今もうまくまとまりませんが)
 
一生懸命、頑張ってきたじゃない。
(いや、それはよくわかってはいたんだけど、うまく逃げ場を作ってあげられなかった大人の責任だよね)
また元気になれば、そこまで頑張りすぎなくてもいいけど、また頑張れるようになるよ。
色んなことをやってみよう、始めてみようという気持ちになれるよ。
 
だから、見え方が違う自分に誇りを持ってほしいですね…。
自信はまだまだついてこないかもしれないけれど。
いっそあなたが渚ちゃんにシンクロしてみない?