スペクトラムしい日々

自閉症スペクトラムの娘と家族、母の日常をゆらゆらと書き綴ろうと思います

金糸銀糸でタペストリーを織ろう

心理士さんは水先案内人である。
能動的に話をしているように見える私に、気づかれないように舵を取っている。
深層心理の海の波を凌ぎながら、櫂を使って舟を進ませる船頭なのだ。
こっち、こっちだよ...
そうして灯台の仄かな灯りをめざす。

延々とタペストリーを織り続けている。
細くたおやかな絹糸で、金糸銀糸で美しく装飾をして。
そこに織り込んでいこう、心のかけらを。
誰かこの手作業を補佐してくれる人がいるといい。
例えばその織り目にできた歪みを、うまく修繕してくれるような。
糸が足りなくなったら、買いに走ってくれるような。
ひとかけらでもいいのだ。
思い出すたびに糸と紡ぎ、タペストリーに織り維げよう。