スペクトラムしい日々

自閉症スペクトラムの娘と家族、母の日常をゆらゆらと書き綴ろうと思います

2015-01-01から1年間の記事一覧

心・色・水・雲・綾

こころに形があるとしたら、どんな形だろう。色で例えるなら、どんな色でも存在できて、どんな風にも混じり合う… 例えば透明な水の中に、色水を1滴ずつ落とす。 幾つもの色を落とすごとに、水の中で色が拡散し、色と色とが混じり合う。 しかし等質となるこ…

すばらしい選択 〜 これでいいのだ

娘は4年生になってから、少しずつ悩みが増えてきて。それは周りの友だちとのぎこちなさだったり、支援学級の中にいる自分への違和感だったり。それはつまり、自分の周りにも少しずつ目を向けられるようになったという事。そして彼女なりに出した結論が普通学…

金糸銀糸でタペストリーを織ろう

心理士さんは水先案内人である。能動的に話をしているように見える私に、気づかれないように舵を取っている。深層心理の海の波を凌ぎながら、櫂を使って舟を進ませる船頭なのだ。こっち、こっちだよ...そうして灯台の仄かな灯りをめざす。延々とタペストリー…

世界の中心でエロと叫べばいい

何かを確かめたかった何かを探していたそれは自分探しと言われたりもする命とは何か、を確かめたかったのだろうか命はどこにあるのか、を探していたのだろうか自分の命やら他人の命やら特別な誰かの命やら命が位置としてではなく意味として、どこからやって…

生の扉を開ける呪文を唱える

呪文を唱えたら、目の前にあった大きな岩がゴゴゴゴゴゴ……という地響きと共に動き始めた。岩の向こうに隠れていたものが姿を見せる。それは私が生きるための源としているもの。呪文は何と唱えたのだろうか?自死についての考え方。同情もせず無情でいたいと…

格納庫に終いに行こうか

その記憶は長い間忘れ去られていて。 また、思い出したとしてもこんなに感情が溢れはしなかった。 私にとってポチの死は、ただの死でしかない。 死というものの、それ以上も以下でもない。 何を思おうと死は訪れる。 何を願おうと死は通り過ぎる。 何事もな…

扉の向こうに佇んでいたイノチ

生家には番犬が絶えることなく飼われていた。 高校の頃、知人から犬を貰った。その犬は元気が良く、落ち着きのないやんちゃ犬であった。 ポチと名付けた。 ポチを飼い始めてから数ヶ月したある日、誰かが散歩に連れて行こうとしたのだろうか。 多分、綱は付…

「死」という名前の扉を探しに

「あなたの生活の中には『死』が占める割合が多すぎるような気がする」 先日のカウンセリングで言われました。 その時に話題になったのが、先々週だったか、兄2と意味深な話をした事。 youtumugi.hatenablog.com そして私自身、死について考えるものがある…

「死」を乗せた貨物列車

最近、母のことを思うようになった。 私がまだ家族と一緒に住んでいた頃、母は家の中の出来事を知っていたはず。 なのになぜ、何も言わなかったのだろう。男達の言いなりになっていたのだろう。 実は母がある意味、ひとつの鍵になっているような気がした。 …

編集長、これでいいですか?

『6年間の思い出』小学校6年間をふり返ってみると、とてもあっという間のような気がする。反対にとても長かったようにも感じる。1、2年生の時の事はあまり覚えていないけど、毎年運動会や発表会があって皆んなで練習した。社会見学や遠足、お楽しみ会も毎年…

ブルータスお前もな!

「その本にどんな事が書いてあるの?」 先日、私が図書館から借りた本の事で兄2が聞いてきました。 『自殺する子どもたち』 自殺する子どもたち―自殺大国フランスのケア・レポート 作者: エレーヌリザシェ,シャンタルラバット,斎藤学,H´el`ene Risacher,Chan…

サスケ、写輪眼お願い!

体のどこかに傷を隠し持っている。ガーゼと油紙で覆われている傷は、何ともない、もうじき治るよと言い続けてきたが、実際は膿を持ち細胞の奥深くまで浸潤している。しかし痛みがあるとは自分では思えなかった。それならばとその傷に覆い被せているものを剥…

9月の頃の話2~ツンドラまでは凍土じゃない

今年度に入ってから担任の先生と2回目のご対面。しかも家庭のテリトリーで。 ちょっとだけドキドキしましたが (わたしが!) まあ、見た目何事もない光景でした。先生がふたつみっつ話しかけると娘も「はあ、はい」とややぶっきらぼうに答えます。そしてさり…

9月の頃の話

10月、発表会の練習に何度か足を運んだ事で、娘は学校という場所や教室という空間へのハードルが少しだけ低くなったようです。 実はその練習の前に、足を運ぶきっかけがあったのでした。 医師からは特性が重いと説明されつつも、登校刺激は気にせずやってよ…

DEAR MY TEACHER. Ⅱ

本当に未来なんて予測のつかないものですよね。 発表会の練習前は、スモールステップと言われても、具体的にどのくらいの感覚で進めていけばよいのか戸惑いはあったのですが… 学校へ足を運ぶ経験が少し積み上げられた事で、次につなげやすくなった感じです。…

つぶやきつなぎ

先週の話し合いの通り、学校に足を運んでみた。 今日は教室で先生の話をみんなで聞く時間。足取りはまずまずで、渋ることはなかった。 みんなのいる教室に入るのは1ヶ月ぶりか…。 教室に向かうもまだ休み時間中で、わいわいしていて教室に入るのを躊躇う様子…

泥地でも突進できるキャタピラはあなどれない

そして先生と2度目の教室面談。 娘と話し合ったことを娘の代弁者として話す母…娘から説明するのは難しいし、負担がかかりそうなので。 娘はまだ担任の先生に話しかけることもできません。返事をするのがいいところです。 わたしの中では、こうやって学校で先…

マインドコントロールはマイルドにしよう

先生からもらった宿題を持ち帰り1週間。 週末学校で先生と会うのですが、ぎりぎりまで宿題には手をつけませんでした。 娘の反応を考えると、あまり気が乗らないんだろうなあと思われ…こちらから急かすのもなんだし…まあ、ほっとこうかなと。 対話をするのは…

いわゆる登校刺激

発表会が終わって次の週は、娘と2人でうだうだゴロゴロしていました。 わたしは一気に揉み返しがきたような気分で、何となくぐったり。 娘もそんな感じだったかもしれません。 何か理由を見つけて、また学校に足を運んでみる…という気分にもなれず。 ただ毎…

コトバのカタチ

ブログはその場所に刻むイメージ、ツィートは足跡を残すイメージ。ブログもツイートもそうなのだけど、まちがいなく自分の身体から生み出されたものだし、身体から1部分をちぎり取って文字に、文章にしている…つもり。ちぎったものはすでにわたしの身体の1部…

子どもも自分の範疇

昔父親に「お前は身内に冷たい」と言われたことがある。そういう父親こそ、自分の父親には冷たかった(私の祖父にあたる人)祖父が子ども好きなのかはわからないが、私にとっては間違いなく、父母よりも身近にいて寄り添ってくれた存在。それが祖父母なのだ。…

娘は道先案内人だった

好きな仕事はできなかったかもしれないけど、親に言われるがままの人生を歩んできたわけじゃない。 わたしはあなた達に、好きな仕事を選んでほしい、好きな道を歩いてほしい。 だから、あれがいい、これはダメだとは言わずにきた。 だけどそれが逆に、道標の…

旅への追伸

魂を拾う旅の意味心の中に横たわっていた幾つもの自分の死体を見届けることそれは巡礼にも似ているわたしは自分のためのお墓をこそ、用意すべきだったのかいや、用意するだけではなく、1つひとつ丁寧に弔う必要があった土をかけて、花を添えて(ずっと下書き…

本当のキモチ (発表会パート3)

発表会前夜。 娘の心は「劇にはもう出ない」 そう決めています。決めてしまったら、もう心は動きません。 心が動かないのに劇に出演するよう説得したり、何とか出演させるように仕向けたとしたら、娘の心は母から離れていってしまう気がしました。 だからこ…

おでんくーん! (発表会パート2)

総練習を観に行きました。 観に行くだけならいいと言っていたのに、時間が近づくとやはり「行くの面倒くさい」などとしぶり始めるので、「いいじゃん、観るだけなんだから。ほら、なかなか自分が出る劇を客観的に観る機会ってないじゃない? それはそれで面…

誘惑の観にスカート (発表会パート1)

小学校最後の発表会。 先生から台本を渡されてから本番までは3週間。 台本を手にした時は、食い入るように読み出しました。 そして来週から練習に行くというのです。 おお…演劇効果? (娘は劇や歌が大好きなのです) そして言葉通り翌週の月曜日から、何の抵…

昨日見た夢

「お母さんの夢ってどんな夢?」 突然娘が聞いてきた。 「え?! えっ? えー…? 夢って…これからやりたいこと?」 そうじゃなくて、夜に見た夢のことだった。 「お母さんさ、最近あまり夢を見なくなったんだけど、今朝はゆっくり起きる日だったから、 見た…

扉の向こうへ

娘の不登校が続くなか、いざなわれた魂の世界 その出口の扉にたどり着いたようだ 心はとても穏やかで安らかだ 嵐のあとの海の静けさ 不思議なのは この世界を歩いている後半 娘に対する自分の気持ちが楽になりだしたとほぼ同時に 娘が学校に足を向けはじめた…

最後のピース

パズルというのはおもしろい。 最初は悪戦苦闘しながらも、ある時、1つのピースがはまったことをきっかけに、次々とはめられる時がくる。 わたしの心の中には2つの柱が立っている。 わたしという神殿を支える2つの太くて大きな柱。 その柱はわたしに潜む…

じーちゃんが怒っている

むかし、2度目の堕胎をした時かする前か忘れたけれど、 夢の中に死んだじーちゃんが出てきた。 じーちゃんは怒っていた。 無言で、しかめ面をして。 「ごめん…ごめんじーちゃん、こんなどうしようもない事ばっかりして…」 無言の圧力にうつむいてしまう。 ……