物心ついた頃から、歌でも曲でも、まわりに音楽があふれていたように思う。
小学生の頃、ピアノを習いたかったが親に却下され、そろばんを習いに行った。
音楽は好きだったので、学校帰りに歌謡曲をうたいながら帰ったり、音楽の教科書を先取りして笛で吹いたり。
中学で吹奏楽部に入った頃だろうか、ピアノは弦楽器だと知った。
グランドピアノの中を覗くと、確かに弦が見える。
高校生になって、親にピアノを習ってもいいよと勧められたが、その頃にはもう興味がなかった。
ピアノにではなく、ピアノを習うことに。
そのかわり軽音同好会に入って友だちとバンドを組んだ。
ギター、チェロ、マンドリン、三味線に琴、二胡もいい、弦楽器は音の響きが好きだ。
そしてピアノも。
音楽を聴くのも好きだが、それほど熱心ではないので、たまたま、とても気に入ればよく聴くしCDも買ったりする。
矢野顕子さんは昔から好きで、ピアノの弾き語りは特に気に入っている。
その1つがこの曲。
ジャズピアニスト 上原ひろみさんのカバー曲。
作詞も上原さんが手がけている。
この詞は、ご自身のお母様に捧げられたのだそう。
聴きだした頃は、最後のフレーズばかり耳に残っていて、母親がわが子に語りかけているものと、かん違いしていた。
わたしは子ども達を支えにして頑張って生きてはいないし、子ども達の存在に感謝している実感は薄いと思う。
けれど、このフレーズを聴くとむねが熱くなるのだ。
『あなたがいるから頑張れる
いつもありがとう ありがとう
本当にありがとう』
矢野さんのカバーも素敵だが、やはり上原さんの演奏も素晴らしい。