心・色・水・雲・綾
こころに形があるとしたら、どんな形だろう。
色で例えるなら、どんな色でも存在できて、どんな風にも混じり合う…
例えば透明な水の中に、色水を1滴ずつ落とす。
幾つもの色を落とすごとに、水の中で色が拡散し、色と色とが混じり合う。
しかし等質となることはなく、混じる部分と交じる部分と。
だから、色が重なるほど濁るわけではなく、
より多く使われる色が全てを支配するわけでもない。
微かにほんの1滴分のスペースさえもそこに独立できる。
性質としては液体としか言いようがない。
静寂なこともあれば、ゆらゆら、ざばざばと波打ち荒ぶることもある。
たっぷり満たされているかと思えば、枯渇しそうにも。
濃度はその時々の状態で微妙に変化し、場所によっても差ができるので、澱みができたりさらさら流れたり。
それとももう少し違うものに例えるなら、雲のように、空に現れては浮かんで消えて流れていくもの。同じ風景には2度と出会えない。
かといって、成分は何でできているのかと言えば、そこはなぜか糸のイメージが浮かんでしまう。
糸を紡いで織る。
真っ直ぐな細い糸、弾力のある太い糸。
絡まったり解れたり。
切れた糸は結び、穴が空いたら繕う。
そんなイメージを自分の中に育ててみるといい。
その色の移り変わりを眺めていたい。
その液体の波の畝りを感じていたい。
その糸の織りなす綾を確かめていたい。