スペクトラムしい日々

自閉症スペクトラムの娘と家族、母の日常をゆらゆらと書き綴ろうと思います

握りしめた手

今年の春に娘が学校を休みはじめ、10日ほど過ぎた頃だろうか。

私が出かけた先で、娘のことをよく知っている知り合いの方に出会いました。
その方は、娘が休み続けていることもご存知だったので、何となしに軽く挨拶をすると、私の手をしっかりと握り
「大丈夫、私も○年乗り切ったから、大丈夫、大丈夫」
と、真剣な顔で、自分自身に言い聞かせるように語りかけてくれました。
また少し経って、たまたまその方とゆっくり話をする機会が持てました。
その時に、ご自分のお子さんの不登校体験を話してくれました。
今は元気に暮らしているけれど、小学校高学年から、義務教育のあいだ、ずっと学校に行けなかったと。
わたしも娘のことを話しながら、ふと「死にたい」と言われたこと、
最悪、死ななければそれで良しと思っていると伝えました。
すると、その方が思い出したように、
不登校中、色んなことがあり思いつめてしまい、ある時お子さんと心中しようと企てたと話しはじめたのです。
お子さんと車で知らない街に行き、死ぬ準備をし始めた時、
お子さんに止められたそうです。
「やっぱりやめよう」と。
それで我に返り、家に戻ってきたと。
プライペートなことなので、詳しくは書きませんが、そういう事もあったそうです。
あの時の、私を握りしめた手の力強さは、そういう事だったのかな。
あの時のあの力強い手の感触が
時々思い出されて、今もわたしを支えているのだと思います。
ちょっと大げさかな?